大学DX推進課がご提案できること(2)

オーダーメード型システムの開発

理想を追求できる選択肢、オーダーメード型開発

DX(デジタルトランスフォーメーション)を目指す上で、オーダーメード型開発ほど理想を追求できる選択肢はありません。オーダメードの服のように、完全にフィットするものを構築することができます。細かい機能にまでこだわることができるので、DXへの貢献度も大きなものを期待することができます。多くのメリットがある一方で、デメリットがあるのも事実です。

オーダーメード型開発のメリット

業務フローに完全に調和させることができる

前述の通り、業務フローに完全に調和、統合させることができるのがオーダーメード型開発のメリットです。もちろん、業務フローの取捨選択を行いながらシステムの機能として落とし込んでいく必要はありますが、制約は何もないに等しいため、構想したことを高いレベルで実現することができます。特定の部署の場合だけ通常とは異なる動作になる、といったことや、特定の時期や、特定の立場の操作者のときにだけ機能を有効にしたり、無効にしたり、といったことも容易に実現可能です。また、他のシステムのためにAPIのようなシステム間連携用の機能を用意したりすることも可能です。基本的な機能から発展的な機能まで、柔軟に設計できるのが強みといえます。

学内ネットワーク内に構築が可能

オーダーメード型開発であれば、機能にとどまらず、そのサーバーやミドルウェアも自由自在です。学内ネットワークに仮想マシン基盤をお持ちの場合などは、そういった基盤上に構築することも可能です。学内ネットワーク内に構築することで、他の学内システムやデータベースとの連携がシンプルに行えるため、既存のシステム資産との相乗効果を狙うのであれば大きなメリットと言えます。データメンテナンスのための情報連携が自動化できれば、それに伴う作業を無くすことができるため、システム運用に伴う業務負荷を低く保つことにつながります。また、学内で情報保護やセキュリティ対策の取り組みを行っている場合には、そういった基準に対応しやすくなるのもメリットと言えるでしょう。

サービス終了のリスクがない

オーダーメード型開発の場合、当然のことながらそのシステムを占有利用することになります。システムが稼働する環境についても占有環境が用意されることが一般的ですので、すべての関連リソースをコントロール可能な状態で維持しやすくなります。もちろん、外部のホスティング会社を使う場合などはそうしたサービスに依存することにはなりますが、学内の仮想マシン基盤などに構築する場合には環境変化や外部依存度を下げることができます。

オーダーメード型開発のデメリット

初期費用が大きくなりがち

オーダーメード型開発はどうしても専用の設計、専用の開発になる部分が多くなります。開発経験の豊富な会社であれば、ノウハウ面で多少の効率改善はあれど、基本的には既存の何かをそのまま使えるケースのほうが少ないのではないでしょうか。実質的には専用で作り込んでいくことはそれだけ工数が大きくなることを意味します。そのため、どうしても最初に用意すべき初期費用や構築費用と呼ばれるものの金額が大きくなるのは避けられません。もちろん、機能の絞り込みや単純化などを通じてコストをコントロールすることは可能です。

稼働開始までの期間も長め

初期費用とも関連しますが、オーダーメード型のため、その仕様を具体化するプロセスに必要な期間はもちろん、開発期間も十分に見込んでおく必要があります。そのため、すでにあるサービスを利用開始する場合と比べるとどうしても実際に利用できるようになるまでの期間は長くなりがちです。短納期での対応も可能ですが、ご希望の仕様にも依存するためケースバイケースでの対応にはなってしまいます。また、機能が複雑であったり、非常に豊富だったりする場合には、運用前の試験運用期間も長くなりがちですのでその分を考慮にいれる必要もあります。

継続的な機能改修にある程度の予算確保が必要

どういった運用保守体制を構築するかによりますが、システムが稼働開始した後の積極的な機能追加は含まれないことが一般的です。軽微なものであれば問題ない場合もありますが、継続的な機能追加を行なっていくには、ある程度の予算を毎年確保し続ける必要があります。影響範囲の小さな改修であれば大きな金額になることはありませんが、影響範囲の大きい改修の場合にはそれにあわせて工数や金額も大きくなる場合があるので注意が必要です。

オーダーメード型開発でのシステム構築例

勤怠管理システム

学内で働く専任職員や学生アルバイトの勤怠や各種届出を管理するためのシステムです。数多く存在する届出を統合するとともに、出張精算など、関連するものをワンストップで行えます。利用する教職員はもちろん、取りまとめを行う人事関連部署の大きな業務効率の向上を実現されています。教職員に関する情報や部課に関する情報は学内のデータベースと自動連携し、自動的にシステム内に反映されるように設計されています。また、システム内で取得するデータのうち、他システムや他データベースで必要なものについては、他データベースへの書き込み処理も機能として準備することで、学内システム間の連携を高度に実現しています。

留学生寮管理システム

学内または管理会社に委託しながら運用している留学生寮の入退寮や請求などを管理するためのシステムです。入寮申込みから部屋の割当、支払い管理までが一つのシステム上に構築されているため、一連の業務フローの効率化を実現しています。同時に、入寮者マイページから利用者によるデータ登録や更新を受け付けることで、変動するデータの管理の精度や効率も向上しています。また、管理会社や寮長などの利害関係者を巻き込んだシステムにすることで、自動化による効率化はもちろん、コミュニケーション効率の向上、情報の一元管理の実現など、様々な導入効果を実現しています。

研究助成金管理システム

学内向けの研究助成金の応募受付から審査、結果公開までが行えるシステムです。応募者マイページで必要な操作やデータ保存が行えると同時に、審査を担う教員も同システム上で審査データを登録できるようになっており、従来は取りまとめ部署の手作業に大きく依存していた業務の大幅なデジタル化に成功しています。結果公開は応募単位で制御できるようにしており、特許の関連等で表に出しにくい情報の制御にも対応しています。


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